
▲(写真1) 膀胱電子スコープ
当科のスタッフは、本年4月より4名の日本泌尿器科学会の専門医・指導医、医師および後期臨床研修医各1名の計6人体制となり、非常に充実した布陣となりました。
泌尿器科領域で腎移植関係以外の疾患全てに対応可能で、副腎腫瘍に対する手術療法および尿失禁や膀胱瘤の治療など他科との境界領域にも積極的に取り組んでいます。
外来では、特に男性の患者さんにとり苦痛が大きい膀胱鏡検査に膀胱電子スコープ(写真1)を用いることにより苦痛の軽減、膀胱内の観察の完全化と画像のファイリングを達成しています。また、本年よりハイビジョンにバージョンアップし、NBIによる観察も可能となりました。
治療法の選択に際しては、治療しない選択肢を含め出来る限りの情報を患者さんに提供して一緒に考えていく姿勢をモットーとしています。そして、どのような治療に関しても患者さんのQOLを重視した内視鏡的治療を主軸とした診療体系を構築し、今までは開腹手術で行われていたものの殆どを腹腔鏡下手術で行うようになりました。通常20〜30cmもの皮膚切開を要する副腎摘除術では最小3,5,10mmの3つのポート孔のみで手術可能となり、出血量も100ml以下で術後1日目から歩行および経口摂取が可能であるため非常に低侵襲となっています。
部長の川端は本邦における泌尿器腹腔鏡下手術のパイオニアの1人で、現在まで1100例以上の経験を有し、他施設への手術指導、学会主催の講習会等の講師に招請されています。また、2005年より開始された「腹腔鏡技術認定制度」にて認定され、審査委員も務めており、このたび田口部長および山尾部長も認定を受けました。
この度、前立腺肥大症に対する最新の手術治療法として、AMS社製GreenLight® HPSレーザーシステムを導入しました。なお、本機は日本では現在5台が稼働中で、当院が関西地区では最初の導入施設です。

▲AMS社製 GreenLight ® HPSレーザーシステム
BPHは、中年以上の男性が罹患する最も多い疾患の一つです。軽症や中等症の場合には主に薬物療法を行いますが、重症の場合には外科的治療が選択されることが多く、現在は経尿道的前立腺切除術(TUR-P)が多く行なわれています。しかしTUR-Pは、出血などいくつかの合併症の問題があります。このような背景から、『より患者様に優しい治療を』とのコンセプトのもと、GreenLightレーザー療法 -- 光選択的前立腺蒸散術(PVP)-- が開発され、2011年7月より保険適応を受けました。
この新しい手術法は出血が少なく、効率の良い組織の蒸散(蒸発)と凝固が可能であり、BPHに対する最も安全で有効な低侵襲療法であると考えられています。
BPHがあり、外科的治療で排尿状態の改善が期待できると考えられる場合に良い適応です。他の治療法と比べて、出血が非常に少ない方法であるため、高齢や脳血管障害、心疾患などの理由で従来の手術を受け難い場合にも、比較的安全に施行できる可能性があります。

麻酔は全身麻酔もしくは腰椎麻酔で、手術は経尿道的に行います。側射型レーザープローブで、レーザーを前立腺組織にあて、組織を蒸散させて肥大した部分を消滅させます。輸血の心配はほとんどなく、手術時間は肥大の程度により変わりますが、おおよそ70分〜90分です。
尿道カテーテル抜去のタイミングは術後の状態により判断しますが、ほとんどの場合手術翌日には抜去可能で、入院期間は他の治療法より短くなります。
なお、本手術は欧米では広く行われており、既に50万人以上の良好な治療実績があります。
PVPは欧米では広く普及しており、全世界で現在1000台以上が稼働しており、日本で早くに導入された病院での治療成績も非常に良好です。
前立腺肥大症による排尿障害でお困りの方は、泌尿器科外来にご相談下さい。
【病院代表電話番号】TEL:06-6416-1221(平日9〜16時)
2009年3月1日に腹腔鏡下小切開手術の施設基準を取得いたしました。従来の皮膚切開より格段に小さな切開創での手術が可能になっております。前立腺悪性腫瘍手術、腎部分切除術、腎摘除術、腎(尿管)悪性腫瘍手術、副腎摘出術の5術式に対して適応されました。
(『腹腔鏡下小切開手術』の施設基準取得 平成21年3月1日)
→詳細はこちら
(PDFファイル
30KB)
2006年10月1日から当院泌尿器科では、健康保険で腹腔鏡下前立腺悪性腫瘍手術を受けていただくことができるようになりました。なお、この手術法は兵庫県内で当院を含め5施設のみが施設基準を満たしております。
(『腹腔鏡下前立腺悪性腫瘍手術』の施設基準取得 平成18年10月1日)
→詳細はこちら
(PDFファイル
30KB)
| 副腎摘除術 | 51例,平均手術時間188分,平均出血量56ml |
|---|---|
| 根治的腎摘除術 | 105例,平均手術時間287分,平均出血量86ml |
| 腎尿管全摘除術 | 74例,平均手術時間373分,平均出血量237ml |
| 腎盂形成術 | 33例,平均手術時間272分,平均出血量30ml |
| 単純腎摘除術 | 16例,平均手術時間282分,平均出血量29ml |
| 腎部分切除術 | 27例,平均手術時間275分,平均出血量108ml |
| 前立腺全摘除術 | 177例,平均手術時間292分,平均出血量667ml(尿を含む) |
| その他 | 25例 |
| 合併症 | 輸血例なし。根治的腎摘除術で開腹術へ移行,前立腺全摘除術で尿道直腸瘻の各1例 |

▲(写真2) ウロマスター
低周波刺激による尿失禁治療器
2009年4月より低周波刺激による尿失禁治療(写真2)が可能となりました。前立腺の術後尿失禁や特に女性の尿失禁に対して効果があります。外来での治療が可能で,保険適応されています。

▲(写真3) フロースカイ
トイレ型の尿流量測定装置
当科では,実際の排尿の状態を調べるために尿流量測定という検査を行っています。今までは検査のためには特別な機械に向かって排尿することが必要でしたが,この度普通のトイレで検査が可能となった画期的な装置(写真3)(TOTO社製)を導入しました。患者さんが家庭におられる感覚で検査を受けていただけるようになりました。

▲(写真4) レントゲン透視装置
2007年3月にレントゲン透視装置(写真4)を東芝製デジタルX線テレビ装置ZEXIRAに更新しました。西日本で最初に当院に導入された本機種の特徴は,フルデジタル化されたフラットパネル検出器により非常に精密な画像が得られるというものです。また,従来機種では構造上不可能であったレントゲン透視台への乗り降りのスムーズさが備わり,患者さんに優しく安心していただけるものになりました。

▲(写真5) ESWL新機種
ドルニエリソトリプターD
2005年12月に体外衝撃波尿路結石破砕装置(写真5)をドイツドルニエメディカル社製の「リソトリプターD」に更新しました。
新機種の特徴として,今まで必要であった硬膜外麻酔が不要になり,さらに低侵襲下での治療が可能となりました。また,本機種は衝撃波発生装置自体が回転することで,さまざまな位置の結石を治療することが可能となり(今までは下部尿管結石は治療出来ませんでした),レントゲンに写らない結石も超音波による探査が可能となったため治療ができるようになっております。また,衝撃波の強さも多段階に調節できるため,痛みに弱い方にも対応できるようになりました。
上記のように従来の機種より治療中の疼痛が少ない上に破砕力に優れており,治療回数がほぼ半減しております。
なお,本治療は保険適応されております。
下図のように衝撃波発生装置自体が回転・移動することにより,さまざまな位置の結石を探査・破砕することが可能となりました。

▲自在に回転する衝撃波発生装置

| 外来新患 | 1506人(男性1037人,女性469人) |
|---|---|
| 入院 | 1067人(男性880人,女性187人) |
| 平均在院患者数 | 28.4人 |
| 平均在院日数 | 9.4日 |
| 手術件数 | 886件 (開放手術52件,内視鏡手術266件,腹腔鏡手術64件など) |
| 体外衝撃波結石破砕術 (ESWL) |
226件 |
● 「泌尿器悪性腫瘍術後生存率(
1998-2011.12)」
(PDFファイル)
● 泌尿器科臨床業績
(PDFファイル)
![]() ![]() |
部長:川端 岳 昭和55年卒 神戸大学臨床教授 日本泌尿器科学会指導医・専門医,日本内視鏡外科学会評議員,日本泌尿器内視鏡学会評議員,日本性感染症学会評議員,泌尿器腹腔鏡技術認定医 2008-2009・2010-2011年度ベストドクター 第24回日本Endourology・ESWL学会オリンパス賞受賞 |
![]() |
第2部長:田口 功 平成3年卒 日本泌尿器科学会指導医・専門医,日本臨床腫瘍学会暫定指導医 泌尿器腹腔鏡技術認定医 |
![]() |
副部長:岡本 雅之 平成1年卒 日本泌尿器科学会指導医・専門医 |
| 副部長 | : | 山尾 裕 平成8年卒 日本泌尿器科学会指導医・専門医 泌尿器腹腔鏡技術認定医 |
| 医員 | : | 奥野 優人 平成18年卒 産業医選任資格 |
| レジデント | : | 桑原 元 平成21年卒 |