眼科診療2007

1.多様な手術に対応するスタッフの充実と機器整備

2004年秋以降、スタッフを充実させこれまでの手術のラインナップを大きく広げ、白内障、網膜硝子体手術中心の病院から角膜移植をも加えた幅広い手術を行えるようになってきました(手術のラインナップは表1参照)。それに伴い、角膜内皮スペキュラー、角膜形状解析装置からはじまり新たな顕微鏡も設置し、手術の精度もアップさせています。

白内障は98%を超音波水晶体乳化吸引+眼内レンズを占め、これまで当院では手術されていなかった屈折矯正手術後や表層角膜切除後、また角膜内皮減少例に対しても手術できるようになり、そうしたことから他の病院からも紹介をお受けして手術を行えるようになっています。

こうした手術に加え、眼表面を構成する角結膜疾患、緑内障疾患の治療も可能となり眼科の幅広い分野での最先端の治療をおこなえています。角膜・結膜疾患、緑内障疾患を対象とした前眼部の画像ファイリングも導入しデジタルの眼底像、蛍光造影・ICG造影像の画像ファイリングに加え、より充実した外来での診察治療をおこなえるようになりました。

2.角膜・結膜疾患、緑内障での治療の飛躍的増加

角膜移植も順調に症例数を増加させており、これまで角膜の混濁などで視力低下に悩んでおられた患者さんにも明るい光を届けられるようになって来ています。角膜移植も、従来からよく知られている全層移植から表層移植、深層移植、さらには最近注目をあびている深層内皮移植と多様な方法が可能であり、術後の管理が容易な縫合なしの角膜移植も推し進めます(図1)。

最近患者数が増加しているドライアイについても人工涙液、ヒアルロン酸ナトリウムなどの点眼治療、多種にわたるなかから症例に合ったものによる涙点プラグ、さらにこうした治療に抵抗する症例には涙点再開通率の低下が可能となった新たに開発した外科手術で対処しています。当院はドライアイの世界的な診断基準選定委員会に参加しており、こうしたことから欧米で効果のある治療法をいち早く導入できるのも魅力のひとつとなっています。特に、この新たな涙点の外科的治療法は当院より全国に広まっているもので、多くのドライアイ患者さんの眼表面に潤いを供給できています。

眼表面疾患としては昨今非常に患者数が増加しているアレルギー結膜炎についても、これまでの治療経験を生かし免疫抑制剤の点眼などで角膜全面のびらん、著明かつ巨大な眼瞼乳頭が生じるといった重症症例に対しても当院で治療ができるものと考えています。

3.今後の展望

医学は毎年進歩しているわけですから、積極的に学会にも参加、発表し、日本だけでなく世界中の医師と情報を交換することで、一歩でも進んだ医療の提供ができればと考えています。

主な眼科外科的手術ラインナップ

白内障、後嚢切開術、翼状片、涙点閉鎖術(ドライアイ) 、角膜移植(羊膜移植を含む) 、エキシマレーザーによる角膜表層切除、エキシマレーザー屈折矯正手術*、緑内障(トラベクレクトミー, トラベクロトミー)、レーザー虹彩切除術、網膜剥離手術、硝子体手術、レーザー光凝固術

角膜白斑に対する角膜移植例

▲角膜白斑に対する角膜移植例

67歳女性 白内障+眼内レンズ+全層角膜移植のトリプル手術で術前(0.05)が術後(0.7)にまで視力上昇した。

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眼科臨床業績 (PDFファイル 240KB)

スタッフ

部長:渡辺 仁 部長:渡辺 仁
専門分野 白内障、角膜、結膜。
日本眼科学会認定専門医、大阪大学大学院臨床教授(医学系研究科・感覚器外科学;眼科学)日本眼科学会評議員、日本角膜学会評議員、兵庫県眼科医会理事、Country Liaison Tear Film and Ocular Surface Society, 日本眼科手術学会, Association of Research in Visual Science and Ophthalmology, American Academy of Ophthalmology.
医長 中田 互
専門分野:白内障、網膜硝子体疾患
日本眼科学会認定専門医
医員 福地 祐子
専門分野:白内障
日本眼科学会
レジデント 白井威人
専門分野:白内障
日本眼科学会

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