大学病院のほとんどには医療情報部もしくは類似した部門がおかれていますが、一般病院でこのような部署を設置している医療機関は、いまだに少数派です。しかし、当院のような大規模急性期医療機関において、臨床業務の情報化、事務の効率化、臨床指標の整備・充実・情報公開、疫学研究といった情報システムの関連業務は必須のものとなってきました。患者様のプライバシーの確保や情報セキュリティの確立も必要となっています。医療情報部では次のような業務をおこなっております。
カルテをはじめとする診療諸記録は、法律にも定められた安全確実な管理を行うとともに、患者様の継続的な診療のために迅速・容易に利用できる環境作りも必要となっております。平成14年に外来カルテの統一化を果たし、平成16年には入院カルテの患者別管理への移行を行いました。これらは、情報の共有化を進める基礎的な努力として行われております。同時に、臨床の質の評価のために必要とされる臨床指標の取り扱いにも努力をしているところです。たとえば、平成18年夏からはDPC(Diagnosis Procedure Combination:診断群分類)による包括支払い制度(少ない資源で上手に治せる医者ほど評価される制度)に参加するとともに、がん診療連携拠点病院の指定に先立ち「院内がん登録」も開始しています。これらによって得られる臨床指標を公開することにより、これまで以上に透明性の高い医療をめざします。
情報システム開発は業務改革のチャンスでもあります。患者様へのサービス向上を核に、できるだけの効率化を図る必要があります。多種多様な医療従事者、事務担当者、技術者の要求を踏まえながら、落としどころを探ることになります。これには、もちろんプライバシーやセキュリティ、記録や契約、医療保険に関する広い知識も欠かせません。
新たな診療技術の発展はめざましく、患者様の疾病構造も変化しており、経営陣の合理的な意思決定を得ることは医療機関としての存続に不可欠です。そのための定量的な資料をタイムリーに提供できる組織作り等にも取り組んでまいりたいと存じます。
公的病院である当院は、病気にかかったりケガをされた方を治療するだけでは使命を果たしたとは言えません。なぜそのような病気やケガの発生に至ったのか、原因はなにか、予防するにはどうしたらよいかの情報を、ご本人やご家族にはにはもちろん、地域社会に向かって発信していくことが求められています。日々得られる診療情報から、労災疾病・作業関連疾患や、がんの登録を行うことにより、地域での病気の発生状況を把握し、原因を究明して(疫学研究と言います)、地域での病気やケガの予防に結びつけていきたいと思います。また、患者様にとって最適な治療法選択のための調査(臨床疫学研究)と情報提供・公開にも、各部署と協力して取り組んでいきます。
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部長:和田 安彦 (医療情報管理室 室長兼務)日本衛生学会評議員、日本医師会認定産業医 |
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顧問:清谷 哲朗 (医療情報管理室 顧問兼務) ISO/TC215(国際標準化機構保健医療情報技術委員会)エキスパート 日本医療情報学会評議員国立保健医療科学院非常勤講師 |