-----先ほどからのお話で、認定看護師には「指導的な役割」が求められているということが良くわかりましたが、日常業務に加えてリソースナースとしての役割を果たすことは、普通に考えても大変なことだと思います。
皆さんはそのバランスをどのように保っていらっしゃるのでしょうか?
苦労していることや課題と感じていることなどがあれば教えてください。
ア園:実践力があってこそ初めて指導ができると考えているので、患者様をケアする中で他の看護師の教育や相談に応えていくことが大切だと思っています。ただ、教育や相談に時間を割けば、患者様から離れることが多くなり、またその逆もあります。「バランスを保つ」ということが大切だとわかっていながら、それを実行することはとても難しいことだと痛感しています。現在は所属師長に勤務時間帯の調整をしてもらい、患者様に直接関わることのできる時間と、教育活動に必要な時間を確保する工夫もしています。でもまだまだ、課題は多いですね。
看護部長:そうですね。現場の看護師の業務を見ておりますと、「バランスを保つ」ことはとても大変なことだと思います。認定看護師でありながら、チームの一員という任務もございますので、なかなか割り切れないところはあるでしょう。課せられるものが多いのはやりがいもありますが、私たちが想像するよりも大変だと思います。
今後は、我々サイドが少しでもフォローし、助けになる体制のようなものを考えていく必要性を感じますね。
弘岡:そうしていただけると助かります!(笑)
患者様への直接ケアにも携わり、他の看護師の水準も高めていくということが求められていることをわかってやってきましたが、実際には専門的な仕事が自分に集中しているのが現状です。
他に、リソースナースの活用方法がまだ軌道にのっていない部分もあり、がん化学療法に関する知識や看護技術の底上げにいたっていないという懸念があります。院内教育の中で、それを実現していけるよう努力している最中です。
-----現場においてバランスをとっていくことは、本当に大変なことなのですね。患者様に対してより良いサービスを提供しようとすればするほど、その大変さは増していくのでしょうね。弘岡さんが実現されようと努力されている「院内教育」という言葉に一筋の光を感じましたが、具体的にどういったことをされているのでしょうか?
弘岡:関西労災病院には「院内教育専門コース」という看護師を対象とした教育システムがありまして、ある分野の研修会を企画し、希望者が参加するというものです。
私の場合、認定看護師として行う教育は、そこでしていることが多いですね。
布谷:病棟内での患者様への直接ケアについては積極的に関わるようにしています。私の場合は糖尿病が専門ですので、「患者様の生活」に対してより良い指導をしていくためには、外来でのサポートが大切だと考えているのですが、なかなか外来に行けないといった苦い思いもございます。
ただ外来には糖尿病療養指導士がいるので、その方の力を借りて、一緒に糖尿病の患者様をサポートしていくよう取り組んでいます。
院内教育に関しては、なかなか思った通りに進まないことに頭を抱えているのですが、専門コースで患者教育を担当しておりますので、その中で「患者様への教育指導のあり方」などを指導しています。
今は、日々忙しくしている看護師たちが、「それでも行きたい」「皆が参加したい」と思うような研修会内容や情報提供方法などの工夫をしているところです。
-----今、3名の方々が抱えていらっしゃる問題点や課題などをお話していただきましたが、病院側としては、今後どのようにしていけば良いかといった、具体的な方策はございますか?
看護部長:大変かもしれませんが、業務と専門が一緒になっているからこそ、自分たちが勉強してきたことが皆に浸透し、実際に現場でどう動いているのかがわかる、という点では、やりがいを感じられる部分ではないかと思います。
しかしながら、より良い体制を作っていくためには、普段の業務と教育の部分をセパレートする、というのが現段階では、求められることだと認識しています。
将来的に、もっとリソースナースが増えてくれば、今問題となっていることも解決していくと思いますので、そのように努めてまいりたいと思います。
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